書き物

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『Sword』あとがき

『Sword』公開から数日、思いのほか反響がありましてうれしく思います。

さて、『AMF』の時もそうでしたが、大きめのゲームを出したときには毎回そのゲームの反省点などもろもろを書いています。今回も例のごとく『Sword』について考えてみます。以下は少々ネタばれを含みますので、まだプレイされていない方はお気をつけください。

今作は『AMF』公開後に猛省したゲームデザインについて結構真面目に考えて作りました。やはり意識していればそれなりに形に表れるもので、難易度をグラフ化した場合、ゆるやかな線を描けているのではないかと。(ラスボスは例外...)

さらに、自分用ライブラリを作って、仕様通り使えば正常に動作する部品を組み合わせてゲームを形作っていったので、動作もかなり安定させることができたと思います。

良かったか・・・と思えた部分はここまでで、以降は反省兼自虐で行きます。

ゲームデザインってものは、「前作と比べて」相当改善されていると思いますが、残念ながら今のところ認識している致命的な欠陥が2点あります。

まず1つ目、いただいたコメントでも指摘されたとおり、ラスボスが...どうもスッキリ出来ていません。

今回のようなステージクリア型のゲームには、敵を攻略していく要素が重要になるもので、今作のその攻略の手段の一つは「特殊攻撃」ではないかと。ステージ2のボスのような例外を除き、直接対決するタイプの敵には特殊攻撃の発動を攻略のカギにするのが良いように思いますが、今回のラスボスである白剣士には...どこに特殊攻撃発動条件を付けるべきか作る段階で悩みました。これまでのザコ敵と比べて攻撃動作が素早いため、プレイヤーが意識して技を発動させることができるタイミングをどこにすべきだったのか。(今回は結局敵の背後に回りこむことができれば特殊攻撃を発動できるようにしています。)こんな弱点を付けにくいキャラをラスボスとしてしまった時点でミスだったのかもしれませんが、それだけは譲っちゃあいけない。

今冷静に考えてみると、白剣士のジャンプ攻撃が唯一のチャンスだったのかもしれませんねぇ...。

そして2つ目、これは今作のゲーム性を否定しかねない欠陥でした...。何が問題かといいますと、敵が攻略の障害になっていないという点です。

ステージ1なんかでは良く分かりますが、敵をそのまま走って素通りできてしまいます。敵が敵にあらず。邪魔するから敵なのです。

以前書き物でもでてきた厳し目のテストプレイヤーからの指摘だったのですが、同時に「こうすれば?」という提案も受けました。

  1. 敵に常時当たり判定をつける。(クリボーみたいに)
  2. 点数制にする。(敵を倒したらポイントが入る)
  3. 敵を倒したら道が開くタイプのゲームに...。(これは僕自身が)

1は、このゲームの企画段階で、そういうタイプのゲームにはしないと考えていたものだったので、却下。今作のコンセプトは「真面目に敵と戦えるアクションゲーム」だったのです。

2は、これは実装を考えていたのですが、よく考えてみれば敵の絶対数が決まっている中で、どのようにハイスコアを取れるか取れないかのゲーム性を持たせるか、それを考えたときに点数制にする意味が制作者側の独りよがりになってしまっていることに気づき、却下。

3は、あまりに強制力が強すぎます。却下。(別ゲームとして作りたいとは思う。)

結局答えは出ず。制作も終盤だったので当初の予定で制作を進めました。

総合的に見て、ゲームっぽさは上がっているとは思いますが、まだまだ考えていかなければならない部分が多いですね。またがんばっていきます。

次は何作ろうかしら。